- 2011-10-11 (火) 4:43
- 原発事故
「内部被曝の脅威」という本を読んでいる。
2005年に書かれたもので、福島原発事故の話ではなく、広島と長崎の原爆の話と劣化ウラン弾における内部被曝のことが中心だ。
にもかかわらず、福島の事故が起きるを想定したかのように書かれていて、内部被曝についての認識が非常に深まった。それと同時に、明らかになったことが一つある。
以前から、唯一の被爆国である日本がなぜ、原発を54機もつくってしまったのか非常に疑問だったのだが、広島長崎に原爆が落とされた直後から、ABCCという原爆障害調査委員会がアメリカから広島に送り込まれて、治療はいっさいしないけれども原爆症で苦しんでいる人から様々なサンプリングを行い、ひどい人は、死亡時に親指しか家族に返されない、というようなことが行われていたという。
同時に、被ばく体験のことを語ることや、医者や研究者がそのことについて研究したり資料を集めたりすることは、全く禁止されたという。
この本を書いた肥田さんも、実際に追いかけらたり、あるいは患者さんの多くが語ることを許されないで死に絶えたことを見ているのだから、その圧力はどんなにか酷かったであろう。
その上、被爆者に対する差別や偏見がひどくて地元にいられなくなり、大阪や関東に逃げた人も多かったという。
そんな状況の中で、3月11日に爆発した福島第一原発がアメリカの凄まじい売り込みの中でつくられた。
つくったGEの人たちが、すぐに欠陥商品だと気づき、何度か修繕を訴えたそうだが、それも聞かれることなく3月11日の地震と津波の中で、一号機は暴発し、二号機三号機四号機も次々にメルトダウンしていった。
この本の著者の一人の肥田さんは、内部被曝に関する資料や研究があまりに無いために、その恐ろしさがほとんど伝わっていないが、現実に広島長崎の原爆や劣化ウラン弾の数年後、数十年後で、様々な病気が発症しているのだから、内部被曝は恐ろしいのだと書き綴っている。
私もこの本を読むまでは、こんなに恐ろしいものだとはしっかりとは認識していなかった気がする。しかし、今は認識よりも先に現実の方が凄まじくて、その現実が数年後、数十年後に更にまたどんな現実を見せるのかと思うと、最後まで本を読み通せるのかどうか、自信がなくなる。
しかし、一つだけ言いたいことがある。被ばく三世の障害を持つ子のお母さんと最近話して非常に意気投合したことだが、どんな形で生まれようと、生きているというその一点で、命はすばらしいということだ。被ばくをすると障害を持つ子が生まれやすいから被ばくを研究し、そして出生前診断を発達させ、障害を持つ子を産まない社会を作ることは、本末転倒だ。それこそが世に常識としてはびこる「優秀な人間だけが生き残るべき」という優生思想に寄与し続ける発想なのだ。
命は生きているというその一点だけで素晴らしい。どんな命も周りの命とつながりあって生きていくことができる。そのことを何度でも繰り返し言いたい。遺伝子に傷がついて障害を持つ子が生まれるから放射能汚染に反対するのではなく、命そのものが脅かされるから原発をはじめとする環境破壊に徹底的に破壊を止めていきたいのだ。環境破壊を止め、調和とバランスを探っていく鍵を私たち障害を持つ子、そして障害を持つ人たちが握っているといっても過言ではないということを強調したい。
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